自分の頭で考えたい人のための15分間哲学教室
ども、映画好きな四十郎のおっさん999です。
コロナウィルスに関するニュースで、最近、とんでもないものがありました。
皆さんもご存知だと思いますが、ドラッグストアでトイレットペーパーがなくなるというものです。
ことの発端は、あるデマから始まりました。
マスクとトイレットペーパーが同じ原料で作られている
それらのほとんどが中国製で輸入できなくなる
J-CASTニュース「トイレットペーパー「ストップ転売」 メルカリの出品、よく見たら「デマ」の注意喚起」
これがSNSで拡散されてしまったことによって、ドラッグストアではトイレットペーパーの買い占めがスタート。
さらには、一部の人がフリマアプリやインターネットなどで高額転売するといった問題が発生しました。
こうした問題を受けて、日本家庭紙工業会が2月28日に下記のような発表をおこないました。
トイレットペーパー、ティッシュペーパーについては殆どが国内工場で生産されており、新型コロナウイルスによる影響を受けず、現在も通常通りの生産・供給を行っております。また原材料調達においても中国に依存しておらず、製品在庫も十分にありますので、需要を満たす十分な供給量・在庫を確保しております
J-CASTニュース「トイレットペーパー「ストップ転売」 メルカリの出品、よく見たら「デマ」の注意喚起」
経済産業省の公式ツイッターも、上記の発表を投稿して、買い占めを抑制しようと試みているのですが、残念ながら、どうしても買い占めを発生させたい人々がいるようです。
それがテレビメディア。
昨日、たまたま夕方のニュースを片手間で眺めていたところ、ドラッグストアのトイレットペーパーの棚がすっからかんになっている模様だけをテレビに流すという、とんでもない行動をしていました。
他のいくつかの番組をみても、トイレットペーパーがなくなるというニュースだけをセンセーショナルに取り上げ、肝心の「デマだから急いで購入する必要はありません」という部分を取ってつけたように紹介して終わりというものがほとんどでした。
棚に商品がなくなっている場面だけを切り取り、その前後の情報を意図的に隠して報道しているため、テレビでこのシーンを見た人は「なくなるから、買わなければ!」って焦って、買わなくていいのに多めに購入し、本当に必要な人に物資が渡らないという大問題に発展します。
数年前と今回のマスク問題で、テレビメディアは何も学んでいない様子で、本当に愕然としました。
インターネットが一般的に普及し、情報を個人が発信するようになった時代においては、情報を受け取るだけでなく、その情報をどのように消化するかが大切になると、私は考えています。
自分の力で考えるということ。
この力は、すぐに身につくものではありませんが、思考するという作業はクセにしておきたいところ。
今回ご紹介する本は、そのヒントをくれるものになっています。
私たちは自分が見たいと思うものを見ている。しかし、それがどこまで現実なのかを知ることはできない。
信じる人の数の多さは、それが真実だという証拠にはならない。
情報に踊らされないようにするためには、自分で考える必要があります。
受け取った情報を、そのまま鵜呑み・丸呑みにするのではなくて、自分で咀嚼し、飲み込み、それを消化して、自分の血肉にしなければいけません。
思考するということをおこなっていくと、自分の周囲に、思考していない人たちが多くいることに気付くと思います。
そういった人々の特徴の一例として、「自分の答えを補強する情報のみをインプットする。その答えは絶対に間違えていないと信じ込む」「多くの人がその答えを信じているから、絶対にその答えは正しいと断言する」というものが少なからずあると私は考えています。
今まで私が出会った人で「あ、このひと、何も考えてないな」っていう人は、もれなく、このような性質を持っています。
人はどこまでも主観的であること。
そして多数の信じていることが必ずしも真実ではないこと。
このふたつを頭の片隅に置いておくだけで、入手した情報について、ちょっと考えてみようかという思いが現れます。
よりよい答えにたどりつくためには、自分の心を開いて周囲から学び、たえず自分の考えをよりよく、より深くしようと努力しないといけない。
どんなに当たり前に思えることでも、簡単に当たり前だとは考えないこと──。それが鍛えあげられた思考力というものだ。
自分がすでに持っている答えや他者が提示してくれた答えを無条件に信用することは、とても簡単です。すごく楽ちんなのです。
だから、多くの人は思考することを放棄し、脊髄反射的に情報を鵜呑みにしてしまう。
自分で思考することは、とても大変で辛いものです。
でも、一度でも思考して、自分なりの答えに到達したときの喜び、快感を味わってしまうと、情報を丸呑みするなんてことはしたくなくなります。
結果的に、その情報を同じ結論に至ったとしても、自分で考えた方が、色々な気付きや学びがあって、そちらの方が楽しいのです。
どんなものも見た目よりは複雑なのだと示し、よく吟味しないままステレオタイプな考え方を受け入れることは愚かだ
同じ結論になってもいい。
自分なりに、入手した情報について、考えを巡らせる。
その過程において、自分なりの疑問が色々とでてくる。
それらの疑問を自分なりに調べて、解消していき、自分なりの答えに到達した時、情報を鵜呑みにした時よりも、より多くの情報を入手できている。
それは成長なのです。
一冊の書籍を読むよりも、お手軽にできる成長だと、私は考えます。
だから、何かニュースを読んだり見たりしても、一呼吸おいて、自分なりに考えてみることをオススメしたいのです。
吟味なき人生は生きるに値しない――ソクラテス
『自分の頭で考えたい人のための15分間哲学教室』は、思考するということについて、様々な事柄と絡めて、そのヒントを示してくれます。
けれど、答えは書いていません。
あくまで、自分なりに考えることを推奨しているんですね。
私たちが当たり前だと思っている事って、昔の人々が議論して考えたからこそ、今わたしたちは当たり前って思えるものになってくれているのです。
昔の人々が考えていなければ、私たちは、いちいち立ち止まって考えなければいけません。
全ての事柄について思考するのは難しいし、時間がかかります。
時間に余裕があれば、それもおこなっていいと思いますけどね。
でも、ほとんどの人は、それほど時間に余裕はありません。
だから、全部を全部、自分で考えるのではなくて、要所要所で思考するタイミングも、自分で考えることも必要になってきます。
そのこともひっくるめて、自分で考えるってことですね。
この本は、哲学初心者にとっては、かなり疲れる内容になっています。
当たり前である事柄について、その歴史を簡単に紐解いて、読者に思考することを促しているからです。
簡単に読み進めるものではありませんが、自分で考えるとはどういうことかということについて、色んな気付きを得ることができる書籍となっております。
読むのに時間のかかる本ですが、哲学について学んだことのない方は、読んでみて損はないかな?
そんな本でございました。
そんな訳で、今日はこの辺で。
最後までお読みいただき、ありがとうございました!
映画好きな四十郎のおっさん999でした。
それでは、しーゆー!
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