四十郎おっさんが綴る読書感想文まがい・改

大阪在住のもうすぐ四十郎になるパートのおっさんが書き綴っていく、なんちゃって読書感想文。

トイレットペーパーに書かれた鈴木光司のホラー小説『ドロップ』のネタバレなし感想

ども、映画好きな四十郎のおっさん999です。

 

今回、楽天Koboで100円OFFクーポンを入手したので、それで購入しました。

普段なら、色々な理由で楽天Koboは利用しないんですけどね。

残りの9円分はポイントで支払いで、金銭的には痛手を被らない形で、今回『ドロップ』を入手しました。

 

そんなこんなで、今回は『ドロップ』の感想を書いていきませぅ。

 

◆『ドロップ』概要

著者:鈴木光司
オススメ度:★★☆☆☆(二つ星)

 

 

◆『ドロップ』の感想

『リング』の鈴木光司さんが執筆しているホラー短編小説『ドロップ』。

さすが鈴木光司さん、そこはかとなく不気味な雰囲気を味うことができました。

 

ホラーとしては、さほど怖い訳ではありません。あくまで不気味という感じ。

もし、主人公の立場を自分に置き換えたら?って考えると、ぞくりとする作品になっております。

 

内容は短く、オチについては、正直なところ、納得できないものなのですが、それでも個人的には楽しめました。

10分もあれば読破できるので、楽天Koboでクーポンがあれば、読んでみても良いかな?って感じの作品ですね。

 

 

◆二人称視点で進む珍しい小説

『ドロップ』は、風変わりな小説でございまして、普段あまり見られない二人称視点で書かれております。

 

一人称は「わたし」「ぼく」などで書かれているもの。

三人称、いわゆる「神の視点」。

二人称は「あなた」で書かれているもので、明確に、読者に語りかける手法になります。

 

ミステリー作家の方が書かれた小説指南の本に「試しに書いたけれど、二人称は難しい」と書いてあったのですが、確かに難易度が高いんですよね。

 

主人公が読者になると、小説に書かれている情報と実際の自分の情報と齟齬が生じてしまい、作品に入り込めないという構造上の問題が発生します。

そして、これは書き手がどれほど上手に書いても、避けられない問題なのです。

 

二人称で書かれた作品は、だいたい、この問題に正面衝突してしまう訳で、残念ながら、『ドロップ』も例外ではありませんでした。

しかし、それでも、ある程度の不気味さを楽しめるようにはなっていて、そこはさすがだなぁって感服する次第です。

 

どうして、こんなハードルの高い書き方を選んだんだろう?

 

『ドロップ』発表時期、鈴木光司さんは、どうしても二人称視点で小説を書かないといけなかったのかな?と思っていたら、この作品は、もともとトイレットペーパーに書かれたものだったんですね。

だからこその、二人称視点だった。

 

それを知って「なるほど」と納得。

トイレットペーパーに書かれた物語と考えると、確かに怖いと感じる作品ですね。

これがもし、公衆トイレや商業施設のトイレに置かれていたらと考えると……ゾクゾクしますな。

 

廃墟にあるトイレ

◆『ドロップ』の感想のまとめ

「トイレットペーパーに書かれた作品である」という情報を持っているかいないかで、おそらく評価が分かれますね。

 

電子書籍版は、トイレットペーパーに書かれた3つの章をひとつにまとめたものになっています。

ぜひ、トイレに入る際のお供にどうぞ。

 

夜の公衆トイレに入った時に読んだら、とても有意義な時間を過ごせそうです。

 

そんな訳で、今日はこの辺で。

最後までお読みいただき、ありがとうございました!

映画好きな四十郎のおっさん999でした。

それでは、しーゆー!

 

 

●今回感想を書いた書籍

電子書籍版。短いのであっという間に読めます。

 

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