四十郎おっさんが綴る読書感想文まがい・改

大阪在住のもうすぐ四十郎になるパートのおっさんが書き綴っていく、なんちゃって読書感想文。

小説『アミダサマ』の感想/色んな意味でスッキリしないから気をつけろ!

どーも、おっさん999です。

 

今回は図書館で借りてきた小説『アミダサマ』の感想を書いていきたいと思っております。

 

こちらの本は、タイトルだけを見て「これはホラーに違いない!」と思い込み、内容も全く確認しないままに借りました。

 

作者の方も知らないし、この本そのものも、その存在を知りませんでした。最近あまり書店に足を運んでいないので、そりゃここ数年の本については、よくわからないというのが実際な訳でして。

 

タイトルが『アミダサマ』とズバリそのままなんで、期待して読み始めてみた訳ですが……えぇ。

 

 

 

 

 

 

作者の沼田まほかるさんについて

反射的に二度見してしまうこと間違いなしな、沼田まほかるさん。まほかるという名前だけ見ると、なんだか魔法少女っぽいです。

 

沼田まほかるさんは、ウィキペディアによると、「読んだ後にイヤな後味が残るミステリー」の女王と呼ばれているみたいです。なんとも嫌な呼び名でございますな。

 

個人的には、小説を読んで後味が悪いなんて、完全に罰ゲームです。救いのある展開を望みませんので、きっちり納得のいく後味悪しを望みます。

 

デビュー作は『九月が永遠に続けば』。以後、『猫鳴り』『痺れる』などを発表しています。

 

沼田まほかるさんの著作で映画化されているのは『ユリゴコロ』『彼女がその名を知らない鳥たち』。偶然なのか、この2作品は2017年に連続して公開しております。

 

ちなみに、おっさんは、この2作品、鑑賞しておりません。

 

 

 

結末ふくめ、意図がわからない『アミダサマ』

この作品、一体、なにを描きたかったのか、正直よくわかりませんでした。

 

序盤では、若い男性が登場。彼が主人公かと思いきや、その後、住職さんが登場。住職さんの視点で怪異が語られる事に。

 

ファーストシーンで、世界観をある程度説明するという荒業を見せつけ、「お、これはいいのでは??」と期待してしまったのですが、個人的にはピークは序盤。これ以降は、ひたすら失速していきます。

 

細かい部分は置いておくとして、悠人という人物を配置してしまったばかりに、物語がとっちらかった感があります。

 

住職さんは浄鑑というお名前で、仏を自分なりに消化・昇華している方で、ちょっとした能力も持っています。彼が穏やかな性格であり、彼の周囲で怪異が頻発するので、どうして浄鑑一人を主人公に据えなかったのか、とても不思議。

 

悠人がどうしようもなく人としてダメダメで、さらに人として軸が完全にぶれており、行動と思考が理解できないキャラクターでして、彼が登場するたびに、苦痛を感じずにはいられませんでした。

 

 

 

さて、この本は、がっつりホラーというよりは、ホラーファンタジーの色が強いです。その点で好き嫌いがでる、特殊な本ですね。

 

というわけで、ホラー部分はどういう感じかというと、ぶっちゃけホラーではありません。粘着質的な気持ち悪さはあるんですね。ただ、その気持ち悪さと、怪異の起点になっているはずの少女ミハルが繋がっていないので、怖さよりも疑問が先に生じるんです。

 

全ての出来事には因果がある訳で、本作では輪廻をテーマにしているものの、ストーリーに一貫性がなく、全てがバラバラの事象のように描かれ、主人公たちがそれらの現象にとても消極的。だから、エンディングにおける壮大な場面も、いまいち読んでいる側に伝わってこない。

 

結末についても、ぶっちゃけ、「なんじゃそら??」という感じ。

 

 

 

意味はわかるけれど、意図が全く不明という点が、この本最大のホラーかもしれません。

 

途中の気持ち悪さは、かなりのものなので、もうちょっと構成がしっかりしていれば、かなりショッキングなものになったかもしれず、とても残念です。

 

図書館で借りたので、わたしの場合、傷は浅かったものの、新刊として購入していたらと思うと、そちらの方がゾクリとしますかね。

 

ふふ。